PCIT Q and A

PCITは 幼い子どものこころや行動の問題子育てに悩む親(養育者)に対し、遊びの場で親子の相互交流を深め、その質を高めて回復に向かうよう働きかける心理療法で、遊戯療法(プレイセラピー)と行動療法に基づいています。PCITは米国フロリダ大学のSheila Eyberg博士によって考案され、世界中に広まっているもので、多くの実証研究によってその効果が確認されています。

Q1:何歳くらいの子どもに効果がありますか?

PCITでは2~7歳の子どもでの効果が実証されています。また、12歳まで可能とされています。最近では12から30か月の幼児(トドラー)への「幼児のためのPCIT(PCITトドラー)」や、8-10+歳の年長児への「年長の子どものためのPCIT(PCIT for Older Children)」の開発が進み、より幅広い年齢の子どもに対応できるようになりました。

Q2:子どものどんな行動に効果がありますか?

言うことを聞かない、かんしゃくを起こす、叩いたり蹴ったりする、暴言をはく、物を壊す、落ち着きがない、嘘をつく、自信がない、etc・・・など、日常におきる様々な、養育者が「問題」だな、と感じられる行動に効果があります。

Q3:どんな親子にPCITが導入されていますか?

基本的に子どもに問題行動がある親子や親(養育者)が子育てに悩んでいる親子が対象ですが、今はあまり悩んではいないけれど今後が心配、あるいは、子どもとのより良い関係を築きたい!と考えるご家族にもおすすめです。

子ども:
行動上の問題がある子ども、あるいは今後が心配な子どもで、特に診断がなくてもPCITは実施できます。

・神経発達症(ASD,ADHD)、知的発達の遅れ、分離不安症や不安症、うつ病の診断や疑いがある場合も研究で治療効果が実証されています。日本でもこれらの診断を持つ子どもたちにPCITが導入されています。場面緘黙の子どもに対しては、「場面緘黙の子どものためのPCIT」が日本に導入されています。
・虐待被害やDV目撃によるトラウマ体験などに基づくこころや行動の問題がある場合への介入効果も実証されています。

親・養育者:
子育てに悩む親・養育者は皆PCITの対象です。

・子育ての経験がなく不安な方
・子どもの頃難しい家庭環境で育ったため、子どもへの接し方が分からない方
だけでなく、
・自分自身に発達障害がある
・DV被害体験がある、トラウマ関連のメンタルヘルスの問題を感じている
・これまで子どもに対して体罰や言葉の暴力など不適切な対応をしてしまった
・うつ病・うつ状態がある、PTSDの診断を受けた方たちにもご相談いただけます。

・全国で里親子さんへの導入も進んでいます。

Q4:費用はどれくらいかかりますか?

自費の他、保険診療にも対応可能ですのでご相談下さい。ご自宅が遠方など来所が難しい場合には、インターネットでの受療も可能です。インターネットPCITは自費対応になります。

PCITの内容についてより詳しく知りたい方は
単行本「1日5分で親子関係が変わる! 育児が楽になる! PCITから学ぶ子育て 」(小学館 2020年)をご覧ください。